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高野文子 - 絶対安全剃刀

絶対安全剃刀―高野文子作品集高野文子氏の作品は「棒がいっぽん」「黄色い本」「るきさん」と読んで, 面白かったので初期の作品集「絶対安全剃刀」も読んでみた.

この本は最近の感覚, 空気, テンポを楽しむ作風とは違って, 人間の本質をかなりえげつなく抉ってくる. 内容が生々し過ぎて吐き気がしてくる.

「絶対安全剃刀」とは外傷と違って内傷は外から見えない事を皮肉ったタイトルなのかな?

以下, さっと読んで気になった所の感想.


「花」. 母親が子供をからかって反応を楽しんでいる話.
母親には子供の関心事を確認する行為, 子供には自分の知らない世界を体験する行為. 子供が親に疑問を持つ瞬間を巧く表現してる. 親子の関係を排除して子供が絶対的だった母親を一人の人間として観察した初めての瞬間のようにも取れる. 一言で表現できない裏切りの感覚を思い出したような.,,

「1+1+1=0」. 子供が親の無神経な言葉に真剣に悩む話.
「パパとママ. ドッチが好き?」の言葉に子供は打算的な感情を知り, 結論を出せないまま自己の存在を否定して行く. 最後に人の言葉にあまり真剣に対応しないでもいい事を学ぶんだけど, 子供の何にでも本気で取り組む事の怖さがある.

「ふとん」. 子供の感覚でとらえた死後の世界.
人間ってのは社会や宗教に染まって恐怖の種を増やしていく. けど判断基準のない子供は反応が大人よりも本能, 実生活よりで何も考えずに行動する. 宗教観に染まってない子供が死をあるがままとらえて, って言うか何も意識しないで成仏していく姿を大人の視点で見ると, 死をあまりにもすんなり受け入れ過ぎて怖い.

「田辺のつる」. ボケがはじまったお婆ちゃんがいる家庭の話.
ボケがはじまった老人は容赦なく家族にコミュニケーションを求める. その要求の度合いが常に老人の人生の規模で, 対応する側はやってられない. そんな絶対的な恐怖対象でありながら, 老人に罪を問えない現実の怖さがある. いったいどちらが加害者なのか?
この話は評判がいいらしい.

「うらがえしの黒い猫」. 子供の妄想の世界を現実側から捉えた話.
子供の妄想の世界では現実の世界と倫理観に違いがある. 妄想の現象は現実の生き死にだったりズレがある. それを淡々と表現してる.

とにかく恐い. 子供は怖い.

最近の作風とは違った面白さがある. ベクトルが違う.
でも「棒がいっぽん」が一番好き.

2005.10.23 | | Comments(0) | Trackback(0) | 写真 / 絵

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